番外4:スペイン風邪のことをいろいろ考える

今回の新型コロナウイルスについては、1918年に発生したスペインかぜと比較して語られることも多いと思います。
世界中に広まり3年続いた、日本でも多くの死者が出たということを耳にしたことはあります。

スペインかぜのことについて思うことが2点あります。
(前もって申し上げると、私は医療に関わっているスタッフでは全くなく一市民の立場で今回記載しています。
 事実や解釈にもし誤りがあればぜひお知らせください。)

一つ目は、スペインかぜの教訓が今回の新型コロナウイルスも含めたパンデミックに活かされていないのでは?ということです。
スペインかぜのデータを少しでも参考にして今回のコロナに対してはこのように手を打とう、というようなこともほとんど聞きません。
100年前の医学レベルと現在では異なりますし、当時はウイルス自体が発見できていなかったので何も手を打てなかった、ということは当然ありますが。
(ちなみに野口英世が黄熱病に倒れたのは、実際の黄熱病がウイルスであったのにも関わらず細菌を発見する手法で研究したことにも一因があります。
 ウイルスは最近よりもはるかに小さく、当時の顕微鏡では発見できませんでした。)

二つ目は、当時の資料や文献があまり残っていないのでは?と思います。
当時の人たちはスペインかぜの対策で大変だったのでしょうが、収束すると途端に忘れてしまったのではと感じます。
そのあと日本では1923年に関東大震災が発生し、アメリカは20年代の黄金期を向かえたことで完全忘れ去られたのでしょうか?
(他国のことはわからず書けません。申し訳ありません。)

今回のコロナでは実態はともかくリモートワークの推進が図られていますし、東京などの大都市に住んでいる人々が地方に移り住む動きもわずかながらに出ています。
現在も五十歩百歩ではありますが、当時の人たちは収束するまでただひたすらおとなしくじっとしていたのでしょうか。
「関東大震災後」であれば作家の谷崎潤一郎が関西へ移住していますが、有名人一人をとっても特にスペインかぜだから何かした、というのは少なくともなさそうです。

もしくは当時はスペインかぜだけでなく、それ以外にも結核や他の感染症で命を落とす人々も多かったので、相対的にスペインかぜのインパクトは今の新型コロナと比べて低かったのでしょうか?

まとまりのない文章ではありますが、今回感染したことによってあまり知らなかった感染症全体に関心を持ち、今回の内容を記しました。

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